灰色の空を見上げながら毎年のことなのに、新潟に暮らして何年もたちながらもおもってしまうわけです。
特別な意味はないのですが、灰色が私のなかではふるさとの色の一つになっています。
新潟の空は1年をとうしてだいたいが灰色で、青空なんて数か月でしょうか?
その季節にはいると、決まってしてしまうことがあります。
その日の気分で、たとえば洋服のなかの1色であったり、バッグだったりと自分の周りにピンクの色をよく使います。
色が与える心理的効果のなかのひとつで、ピンク色は気持ちを柔らかくしてくれ、そのうえ元気にしてくれる色なのです。
グレーのなかにピンクをいれることによって気もちも沈まず心地よく1日をスタートできますし、またその色をみているだけで元気が出てくる効果があるので、意識的についそのピンクを使ってしまうのです。
色彩調和といいますが、その色にマイナスの要素がある時違う色を1色使うことによって得られる心理的効果です。
この灰色は日本人の肌の色である黄色系とはあまりなじまないのですが、日本古来からの色の中ではとても深く暮らしのなかにかかわっています。
一般的に灰色といっても日本の色彩のなかの伝統色の表示ではとても奥深く、日本の着物などの染色に使う色は、利休ねずみや小町鼠などとても風流な呼び名やうすずみいろやさくらねずなどという表し方があり、一言灰色といってもとてもたくさんの色があります。
以前茶道を習っていたころ、指導をしてもらった先生たちとお茶会にいったときですが、お茶をたてている方の着物が銀色に輝く鼠色でした。
そうですね、日本古来の色彩色としての呼び名はきっと銀鼠色なのでしょう。
とても素敵な深い色だったのでいまでも覚えています。
そんな輝く灰色とはだいぶ違いがあり、重たくのしかかるような新潟の空の色ももちろん灰色の仲間にはいっています。
街路樹の葉がすっかり落ちてしまい、木々も身を軽くして厳しい冬を迎える準備をしています。目の中に入ってくる色彩のなかに灰色が多くなるこの季節になるとピンクが恋しくなります。